大津市のいじめ問題で,いじめと自殺との因果関係が問題となっています。
民事事件における因果関係の証明度に関しては,ルンバール事件判決(最判昭和50.10.24)が先例とされており,以下のように判示されています。
「訴訟上の因果関係の立証は,一点の疑義も許されない自然科学的証明ではなく,経験則に照らして全証拠を総合検討し,特定の事実が特定の結果発生を招来した関係を是認しうる高度の蓋然性を証明することであり,その判定は,通常人が疑を差し挾まない程度に真実性の確信を持ちうるものであることを必要とし,かつ,それで足りるものである。」
「一点の疑義も許されない自然科学的証明」という判示部分について,自然科学的証明が「一点の疑義も許されないもの」であるといってよいかどうかには,疑問があり得るというコメントが,司法研修所が編集した『民事訴訟における事実認定』(4頁)に書いてあります。
物理学の世界で統計的に存在すると認められる確率は,「99.9999%」だそうで,一点の疑義も許されないとはいえなそうです。欧州原子核研究機構(CERN)の衝突実験で発見されたと言われているヒッグス粒子が存在する確率は,99.9999%を越えているようです。
弁護士 茨木