2012年8月2日木曜日

北新地と曾根崎心中


 北新地の女性との問題を週刊文春にスクープされた橋下大阪市長は,曾根崎心中に代表される文楽批判をしています。

 私は,大阪修習時代,弁護修習のときは,北新地にある弁護士事務所に通い,裁判修習のときは,曾根崎心中ゆかりの曾根崎お初天神通りを通って裁判所に行っていました。
 北新地と曾根崎に通っていた日々をなつかしく思います。


【芸術への助成】

 従来の憲法学では,自由の制限=悪,国家による給付・助成=善とされていました。しかし,最近は,国家の給付が自由に与える実質的な影響を重視し,給付の在り方それ自体を統制しようと試みています。
 この試みとして,ベースライン論,専門家の介在論などがあります(小山剛『「憲法上の権利」の作法 新版』尚学社200頁)。

 専門家の介在論とは,芸術や学問に対する給付・助成のように,中身を評価して優先順位を決定する選択的助成とならざるを得ないものについて,客観性・公平性を担保するため,国家は助成プログラムの基本方針を策定する役割に自らをとどめ,基本方針の解釈については専門職の判断を尊重すべきという考え方です。
 もっとも,この考え方に対しても,①専門家が専門的判断を優先するとは限らない,②問題となっている領域に専門家集団が育っていないことがあり得る,③芸術のように,既成の観念や秩序を覆すことを本質とする活動については,専門家が,既成観念の擁護者になりかねない,といった問題があると指摘されています。

弁護士 茨木