最近,ある事件で,行政不服審査法に基づいて,処分についての審査請求を申し立てました。
行政不服審査法は,昭和37年に制定され,平成16年の行政事件訴訟法改正に合わせて一部改正されましたが,約半世紀にわたり,抜本的な改正はされていません。
平成20年の通常国会には,行政不服審査法の全部改正法案が提出されましたが,平成21年の衆議院解散により,旧法案は廃案となりました。その後,民主党政権下で,新たに改正案を作成する方針が固められ,行政救済制度検討チームが立ち上げられ,平成23年12月に,検討チームによる意見の取りまとめがなされました。
政府は,取りまとめに沿って改革方針を修正し,改正案を国会に提出する予定です。
取りまとめは,「公正さにも配慮した簡易迅速な手続の下で柔軟かつ実効性のある権利利益の救済」,「国民が救済手続を一層自由に選択」を基本方針としています。
具体的には,審理官制度の創設,多様な裁決のメニュー化(義務付け裁決,行政指導の中止等の求め等),現行の異議申立てを廃止して審査請求に原則一元化,審理の迅速化,などが盛り込まれています。
行政不服審査法の見直しについては,東京大学の宇賀克也教授が「民事研修第661号(平成24年5月号)」で解説を書かれています。
弁護士 茨木