2012年8月22日水曜日

国際相続

日本に住んでいたアメリカ人が亡くなった場合,どの国の法律に従って遺産分割をすればよいのでしょうか?

日本に住んでいたアメリカ人が死亡した場合,「相続は,被相続人の本国法による」という法の適用に関する通則法36条によって,アメリカの法律(州法)に従うことになります。
ところが,アメリカは,不動産の相続と動産(その他の財産)の相続を区別して,不動産についてはその所在地法を適用し,動産については被相続人の住所地法(又は本国法)を適用するという「相続分割主義」というのを採用しています。したがって,日本で死亡したアメリカ人が日本に不動産を所有している場合,アメリカの法律によれば,不動産の所在地法である日本法を適用することになります。法の適用に関する通則法41条は「当事者の本国法によるべき場合において,その国の法に従えば日本法によるべきときは,日本法による」と規定しており,このことを国際私法の用語で「反致」といいます。
 ただし,英米法系の諸国においては,相続人への相続財産の移転に関して日本法の「包括承継主義」と異なり「管理清算主義」を採用しています。そのため,遺産の管理清算については,動産,不動産を問わず遺産管理地(所在地)法が適用され,残余財産の分配についてのみ相続分割主義により不動産の所在地法が適用されます。





相続人又は被相続人が日本に住んでいない場合,相続税の課税関係は変わってくるのでしょうか?

相続税の納税義務者は,相続又は遺贈により財産を取得した相続人等で,相続人等の居住地や国籍等により,①居住無制限納税義務者,②非居住無制限納税義務者,③制限納税義務者に区分されます。








では,海外に財産がある場合,相続税の対象になるのでしょうか?

納税義務者の区分によって結論が異なってきます。




弁護士 茨木