2012年7月17日火曜日

違法ダウンロードの刑事罰化

「違法ダウンロードの刑事罰化」等を内容とする改正著作権法が成立し,平成24年10月1日より施行されます。この法改正に関して,文化庁がQ&Aを公表しています。


たとえば,「『You Tube』などの動画投稿サイトの閲覧についても,その際にキャッシュが作成されるため,違法になるのですか。」という質問に対して,以下のように答えています。
「違法ではなく,刑罰の対象とはなりません。
動画投稿サイトにおいては,データをダウンロードしながら再生するという仕組みのものがあり,この場合,動画の閲覧に際して,複製(録音又は録画)が伴うことになります。しかしながら,このような複製(キャッシュ)に関しては,第47条の8(電子計算機における著作物利用に伴う複製)の規定が適用されることにより著作権侵害には該当せず,「著作権又は著作隣接権を侵害した」という要件を満たしません。」

また,「違法ダウンロードを刑事罰化することにより,インターネットを利用する行為が不当に制限されてしまうのではないでしょうか。」という質問に対しては,以下のように回答しています。
「違法ダウンロードに係る刑事罰については,故意犯のみを処罰の対象としており,『有償著作物等』であること及び『著作権又は著作隣接権を侵害する自動公衆送信』であることを知っていない場合には,刑罰の対象とはなりません。
また,この刑事罰は親告罪(第123条)とされており,権利者からの告訴がなければ公訴を提起できないこととされています。
さらに,違法ダウンロードの刑事罰化に係る規定の運用に当たっては,政府及び関係者は,インターネットの利用行為が不当に制限されることのないよう配慮しなければならないこととされています。(改正法の附則第9条や参議院の附帯決議)
これを受け,警察は捜査権の濫用につながらないよう配慮するとともに,関係者である権利者団体は,仮に告訴を行うのであれば,事前に然るべき警告を行うなどの配慮が求められると考えられます。」

 文化庁はこのように回答していますが,回答どおりに法が運用されるかについては,多くの専門家から懸念が表明されています。

弁護士 茨木